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プロの鍼灸師が教える!整体による産後の骨盤矯正効果とセルフケア

南絢子
記事の著者:南絢子

産前の体型に戻りたいという悩みは、多くの産後ママが抱えている悩みの1つです。解決する方法には、産後の骨盤矯正が挙げられます。普通の骨盤矯正とは何が違うのか、整体はどのくらい効果があるのかといった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

今回は、産後骨盤矯正の特徴と効果、自宅でできるセルフケア方法も合わせてご紹介します。産後の回復をも左右する産後骨盤矯正の理解にお役立てください。

普通の骨盤矯正と産後骨盤矯正の違い

出産をしたママさんには「普通の骨盤矯正」と「産後骨盤矯正」、どちらがおすすめなのでしょうか。一見すると何が違うのか分かりづらいですが、実は目的に大きな違いがあります。

普通の骨盤矯正

普通の骨盤矯正は、日常生活での悪い姿勢や疲労の蓄積による歪みの改善をメインで行っています。この歪みは、お体のくせや生活の傾向からくるもの。

そのため、立ち仕事やデスクワーク等で疲労が溜まっている方、骨盤やお体の歪みが気になる方に向いている施術です。

産後の骨盤矯正

一方、産後の骨盤矯正は、妊娠・出産により生じた歪みの改善を目的としています。

産後の骨盤の歪みは、分娩時のダメージからだけではなく、妊娠中からでるホルモンの影響や体型の変化、お体の使い方からも影響を受けているのです。

妊娠から産後まで体が受ける影響とは?

妊娠中-分娩時-産後にどのような影響を受けるかご説明しましょう。妊娠中(妊娠初期-中期-後期)は赤ちゃんの成長や分娩に向けて出るホルモンの影響を受け靭帯・関節が緩くなり、赤ちゃんの成長とともにお腹に重みも出てきて、体型の変化や悪い姿勢の影響を受けやすくなります。

分娩時は、お腹の赤ちゃんが出てきやすいように靭帯・関節が最大限に緩み、骨盤も産道を通る赤ちゃんの動きに合わせて動くので、お体全体にダメージを受け、骨盤に歪みがて生じるのです。

産後もしばらくはホルモンバランスが崩れ、靭帯・関節が緩い状態が続くので、骨盤はグラグラ、無理な姿勢での授乳や抱っこによって腕や肩はパンパン、放っておくと妊娠中の姿勢がそのまま残り、慢性疲労の原因にもなります。

産後骨盤矯正を選ぼう

妊娠中に出るホルモンからも影響を受けている産後のお体には、普通の骨盤矯正は不向きです。その場では効果を感じたように思えても元に戻ってしまい根本的な矯正は行えません。

分娩によりダメージを受け、疲労も溜まっているデリケート時期。妊娠中・産後のお体のことを考えて行われている産後骨盤矯正が、安全で産後のお体に最も適しているのです。

産後ならではの歪みの特徴とは?

妊娠・出産による骨盤の歪みには、姿勢不良や疲労の蓄積による歪みと違う特徴があります。

骨盤の歪みというと骨盤が横に広がるイメージが持たれがちです。妊娠・出産による骨盤の歪みは妊娠中に出るホルモンの影響を受けて靭帯に緩みが出ているので、横への広がりだけでなく、前後に捻れていたり、左右で高さに違いがて出ていたり、妊娠中のお腹の重さによって骨盤が前傾していたりします。

歪みによって不調も異なる

ひとくちに骨盤が歪んでいると言っても歪み方は様々。歪み方によって不調も異なります。

例えば骨盤が横に広がっている場合は、下半身への血流が悪くなるので、浮腫みや冷えの原因です。お尻が大きく見えて、ズボンが履けないなどの体型に影響を与え、О脚の原因になることもあります。

骨盤が前に倒れてしまう状態(前傾)は、無意識のうちにバランスを取ろうとし腰が反ってしまい、腰痛の原因になったり、重心が前側になってしまいがち。膝に負担がかかり膝痛の原因になる恐れもあるでしょう。

メリット

さらに、産後の骨盤矯正では矯正と合わせて、骨盤底筋や骨盤周りの筋力回復を目的とした体操の指導をするところが多い特徴があります。

なぜかというと、骨盤の下を支えている骨盤底筋(トイレを我慢するときに使う筋肉)や骨盤周りの筋力が回復しない状態でいくら矯正をしても、良い状態を自力で支えることができなければ、結局元に戻ってしまうからです。

骨盤底筋や骨盤周りの筋力が回復してくると、良い骨盤の状態を自力で支える力がついてきて、骨盤が開きにくく・歪みにくくなり、回を重ねるごとに矯正の効果もどんどん上がってきます。

整体による産後骨盤矯正の効果

産後の骨盤矯正では、妊娠・出産による歪みや不調の改善が可能です。産後ママさんが一番悩まれている3つの症状を例に挙げ、説明していきましょう。

図1)

左:理想的な姿勢イメージ
中央:首・肩に負担がかかる姿勢イメージ(首の前傾・猫背・内側に入り込んだ肩)
右:背中・腰に負担のかかる姿勢イメージ(骨盤の前傾・反り腰・ポッコリお腹)

1 腰痛の改善

産後は腰痛に悩まれている方がとても多く、その1番の原因は「骨盤前傾による腰痛」です。

骨盤の前傾(図1 右参照)は妊娠中、お腹の重さを支えるために骨盤が前側に傾いてしまう歪みで、無意識のうちにバランスを取ろうとし腰を反ってしまうために背骨・腰に負担がかかります。

骨盤前傾による腰痛の特徴

・元々腰痛はなく妊娠中 or 産後から痛くなった
・前かがみになると痛む(お子さんを抱き上げる時や顔を洗う時に痛みませんか?)
・背中や肩甲骨の下の辺りが張っているように感じる
・立ち上がる時・歩く時に膝に痛みを感じる

この腰痛は骨盤の歪みが原因で引き起こされている腰痛ですので、骨盤の歪みを矯正することで改善します。

2 首・肩こりの改善

産後ママさんの中で悩んでない方はいないほど、多いお悩みが首・肩こりです。原因は、骨盤の歪み、猫背等の姿勢不良、妊娠中から出るホルモンと様々。

ホルモンの影響が残っている産後は、まだ靭帯・関節が柔らかく、悪い姿勢の影響を受けやすくなっています。骨盤の歪みが原因である首・肩こりは首・肩周りを緩めるだけでは改善しません。

骨盤を正しい位置で矯正し定着させることで、しっかりと改善することが可能です。整体院では矯正と合わせて、重心や立ち方などお体の使い方の指導を行います。

首・肩こりの原因とは?

骨盤に左右の高さ違いや前後の歪みが出ると、繋がっている背骨が影響を受け、無意識のうちにバランスを取ろうと、肩に左右の高さ違い、前後の歪みが表れます。

この時に背骨や肩甲骨周りの筋肉、肩に負担がかかることで疲労が蓄積され、コリ固まってしまうのです。

また、授乳や抱っこにより肩が内側に入り込む姿勢や猫背、頭の重さで首が前傾することも、首・肩に負担がかかり、首・肩こりの原因になります。(図1 真ん中参照)

3  産後の体型の改善

ほとんどの産後ママさんがお尻が大きくなった、ズボンが履けなくなるといった、体型の変化に悩んでいます。その原因は大転子の横への張り出しです。

図2)大転子の場所

大転子は大腿骨の一部で、脚の付け根の外側の出っ張った部分。骨盤を支えたり、股関節の動きをた出す小臀筋(しょうでんきん)・中臀筋(ちゅうでんきん)などの筋肉がついています。骨盤と結合して股関節を作るので、骨盤が歪んだり、骨盤周りの筋力が落ち、横に張り出してきてしまうのです。

大転子の横への張り出しの特徴

・骨盤のところでズボンが引っ掛かる
・お尻が四角い
・下半身が浮腫む
・下半身太り
・足にだるさを感じる

大転子を正しい位置に矯正すること、骨盤周りの筋力を回復していくことで、産前のズボンが入るようになったり、お尻がキュッと丸く小さく引き締まったりと改善していきます。

施術後の変化・改善例

当院を例に、施術の変化をご紹介しましょう。ママの骨盤矯正では、施術期間約2か月前後、計5回の施術で体型にこんな変化が出ています。

2017 年
ウエスト(おへそ):平均-4.4cm 最大-12cm ヒップ:平均-2.7cm 最大-11.5cm

2016 年
ウエスト(おへそ):平均-4.01cm 最大-14.5cm ヒップ:平均-1.67cm 最大-9cm

※2016ー17年度中に4回コースを受けられ、かつ周囲径を測定した643人のママさん調べ。
※産後の不調改善をメインに行っており、周囲径には個人差がありますことを予めご了承ください。

産後の骨盤矯正で改善できる他の症状

恥骨痛、尾てい骨の痛み、股関節痛、ひざ痛、足首痛、背中の張り感、体重増加、尿漏れ、浮腫み、冷え、便秘、頭痛、疲れが抜けない、倦怠感

実はこれらの症状は妊娠・出産による骨盤の歪みが原因で引き起こされている産後特有の症状です。こういった様々な症状を改善するには、幅広い症状に対応できる、医学的知識がある国家資格(柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ指圧師)を持った施術者のもとでの矯正がおすすめです。産後特有の歪みが改善されると、日常の子育てが楽になるでしょう。

産後のお体は想像以上に骨盤が開き、靭帯・関節・筋肉も緩くなっています。今は不調を感じていなくても放っておくと、お尻が大きくなり、太ももが太く、下腹もポッコリした妊娠中の体型が残ってしまう恐れも。

徐々に蓄積し慢性疲労の原因にもなり、次の妊娠の際に不調が出ることも。出産をしたら骨盤のケアを忘れずに行うことをおすすめします。

産後の骨盤矯正を受けるベストなタイミングは?

産後骨盤矯正の効果を最大限に感じていただくには、妊娠中に出るホルモンの影響で靭帯・関節がまだ緩い産後半年までが良いでしょう。

分娩方法ごとのお勧めの時期も異なります。自然分娩での出産は、産後1か月後以降。帝王切開での出産は、傷が癒えてから産後3か月後以降がおすすめ。傷口や見えない内臓の回復も含めて、自然分娩よりも期間が必要となります。

帝王切開でのご出産の方も、自然分娩の方と同様に骨盤が開き、靭帯・関節・筋肉が緩くなっているので産後の骨盤矯正でのケアが大切です。

また、産後半年を過ぎてからも矯正可能。疲労の蓄積や悪い位置で骨盤が固まってしまうため矯正に少し時間がかかりますが、いつからでも矯正行えますのでご安心ください。

お家でできる骨盤ケア法

女性の骨盤は出産の関係上、男性に比べて歪みやすくなっています。 産後の骨盤矯正で歪んだ骨盤を矯正しても、その後放っておくと、今度は日常生活で疲労の蓄積や、お体の使い方の癖で歪みが生じる恐れがあるのでケアが必要です。

今回は、お子様のお世話で忙しいママさんに特におすすめの、日々の習慣に取り入れやすく、簡単で続けやすい、お家でできる骨盤ケア法を2つをご紹介します。

骨盤体操

まず1つ目は、骨盤が開かないように・歪まないように骨盤周りを支えてくれる筋力がつく、骨盤体操です。骨盤底筋の筋力が回復すると尿漏れも改善します。産後の尿漏れに悩まれてる方は必見です!

目標は1日10回。連続で行わなくてもOKです。立ったままの体操なので、ご飯の支度や歯磨きなどの隙間時間にやってみてください。

骨盤体操のやり方

まず、左右の足の間を、こぶし1個分の幅を開けて立ちます。つま先だけや踵だけ揃えるのではなく、足全体をこぶし1個分あけてください。

そして、足裏の親指側に体重をのせていき、その状態でお尻の穴をキュッと絞め、遠くを見つめましょう。

このとき、太ももの内側・下腹に力が入っているかチェックしてください。力が入っていることを感じられたら、正しい骨盤体操ができています。

10秒キープし、10秒経ったら、ゆっくり力を抜いていきます。ここでのポイントは、じわじわとゆっくり力を抜くこと。ぱっと力を抜いてしまうと、骨盤もぱっと開いてしまいます。

呼吸法(胸式呼吸)

2つ目は、妊娠・出産で下がり気味の内臓を元の位置に戻してくれる呼吸法が胸式呼吸です。胸や肩甲骨周りの細かい筋肉も動かせるので、代謝も上がり、肩こり解消も期待できます。

今回は、初めての方向けに、立ったまま行う胸式呼吸をご紹介します。内臓が下がり気味になっているのを放っておくと、開いた骨盤に入り込んでしまうので、胸式呼吸で下がってしまった内臓をもとの位置に戻していきましょう。

胸式呼吸のやり方

まず、腕を肩の高さで真っ直ぐに前に挙げ、鼻からと同時に肘を後ろに引きます。肩甲骨同士を近づけるイメージです。左右の肩甲骨の動きを意識しながら行ってください。胸にたくさん空気が入っていくイメージで息を吸うと気持ち良く感じられるでしょう。

口から吐くと同時に、腕を元の位置に戻します。これを10回ほど繰り返しましょう。

骨盤体操も胸式呼吸どちらも立ったまま行える体操です。横になったら体操やストレッチなんかできずに眠ってしまうほど、毎日頑張っているママさん、家事の合間やながら運動のしやすいこの2つの体操で骨盤ケアを始めてみましょう!

ママの気持ちに寄り添う骨盤矯正

そして、最後に心の面のお話です。産後はホルモンバランスが崩れるため、ママさんの気持ちにしっかり寄り添う必要があります。約10か月の間、赤ちゃんをお腹で育て上げ、もう心も体も限界という所で出産を迎えます。

そこで命をかけた大仕事をやり遂げます。しかし、出産はゴールではなく、スタートです。赤ちゃんを産んだその日から休むことなくママとして育児がスタートします。そのめまぐるしい変化に戸惑ってしまうママさんがほとんどです。

ですから産後骨盤矯正を行う側も、そのママさんの気持ちに寄り添って施術を行う必要があります。こういった心の寄り添いができるのも産後骨盤矯正の特徴です。ぜひ、産後は産後骨盤矯正に頼って不調を解消してください!

この記事の執筆者・監修者

南絢子

南絢子

ママの骨盤矯正 鍼灸師 東京23区、横浜市、川崎市出張専門の産後骨盤矯正。 施術者は全員国家資格を持った女性で、産後専門のプロです。毎月 200 件以上の産後骨盤矯正を行い専門技術があるため、短期間での改善が可能。「産前のズボンがスルッと入るようになった!」という喜びの声が多く寄せられている、人気店。多くのママ達から熱い支持を受けています。 公式HP:ママの骨盤矯正